初診時の問診
睡眠状態、いびきの状況、日中の眠気など詳しくお聞きします。エプワース眠気尺度（ESS）という質問票を用いて、日中の眠気を数値化することもあります。
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睡眠時無呼吸症候群とは？
睡眠時無呼吸症候群（Sleep Apnea Syndrome：SAS）とは、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる（無呼吸）、あるいは浅くなる（低呼吸）状態が生じる疾患です。10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上、または7時間の睡眠中に30回以上認められる場合に診断されます。
この疾患は単なるいびきの問題ではなく、体内の酸素不足を引き起こし、様々な健康リスクにつながる可能性がある重要な病気です。また睡眠の質が低下するため、日中の強い眠気や集中力低下などの症状も現れます。
長泉町・三島市エリアにあるみしま長泉Tmクリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の検査から治療まで一貫したケアを提供しています。院長自身もCPAP（シーパップ）治療を受けた経験がありますので、自身の経験をもとにアドバイスさせていただきます。
主な症状
睡眠時無呼吸症候群の症状は、睡眠中と日中の両方に現れます。睡眠中の症状は本人が自覚しにくいため、パートナーやご家族からの指摘がきっかけとなることが多いです。
睡眠中の症状
- 大きないびき（途中で止まり、再開する特徴的なパターン）
- 呼吸が止まる（家族に指摘されることが多い）
- 息苦しさや窒息感で目が覚める
- 寝返りが多い、寝相が悪い
- 夜間頻尿
- 寝汗をかく など
日中の症状
- 日中の強い眠気や倦怠感（運転中や会議中など）
- 起床時の頭痛や喉の渇き
- 集中力や記憶力の低下
- イライラ感や抑うつ気分
- 性欲減退 など
睡眠時無呼吸症候群の種類
閉塞型睡眠時無呼吸症候群
最も一般的なタイプで、睡眠中に上気道（喉の奥）が塞がることで呼吸が妨げられます。肥満、首まわりの脂肪、扁桃腺肥大、小さな顎などが原因となることが多いです。
中枢型睡眠時無呼吸症候群
脳から呼吸を調節する筋肉への信号に問題があり、呼吸努力自体が一時的に停止します。心不全や脳卒中後に発症することがあります。
複合型睡眠時無呼吸症候群
閉塞型と中枢型の特徴を併せ持つタイプです。
原因とリスク要因
睡眠時無呼吸症候群の主な原因やリスク要因には次のようなものがあります。
- 肥満（特に首まわりの脂肪）
- 年齢（中高年に多い）
- 性別（男性に多い、閉経後の女性も増加）
- 家族歴（遺伝的要因）
- 解剖学的要因（小さな顎、大きな扁桃腺など）
- アルコールや睡眠薬の使用
- 喫煙
- 鼻閉や副鼻腔炎などの鼻の疾患 など
睡眠時無呼吸症候群の合併症
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、繰り返される夜間の酸素不足と睡眠の質低下により、全身の健康に深刻な影響が現れます。無呼吸のたびに血圧が上昇して、交感神経が活性化されるため、高血圧が慢性化しやすくなります。また、心臓への負担が増大して、不整脈、心不全、心筋梗塞などの心疾患リスクが2～3倍に高まるという研究結果もあります。
主な合併症・影響
- 高血圧
- 心疾患（不整脈、心不全、心筋梗塞など）
- 脳血管障害（脳卒中など）
- 糖尿病
- 交通事故や労働災害のリスク増加
- QOL（生活の質）の低下 など
検査と診断
睡眠時無呼吸症候群の診断は、次のステップで行われます。
Step01
Step02
簡易検査
自宅で簡単に行える検査です。眠る前に小型の機器を装着して、睡眠中の血中酸素濃度や呼吸状態を記録します。
Step03
精密検査（必要に応じて）
より詳細な検査が必要な場合は、専門機関で行われるポリソムノグラフィー検査をご紹介します。脳波や呼吸状態など多項目を同時に測定する精密検査です。
睡眠時無呼吸症候群の治療
睡眠時無呼吸症候群の治療は、重症度や原因に応じて次のような方法から選択します。
生活習慣の改善
- 適正体重の維持（肥満の方は減量）
- 禁煙
- 就寝前のアルコール摂取を控える
- 仰向けで眠るのを避ける
- 規則正しい睡眠習慣 など
CPAP（シーパップ）療法
中等度以上の睡眠時無呼吸症候群の標準的な治療方法です。就寝時に鼻マスクを装着して、専用の機器で空気を送り込むことで気道の閉塞を防ぎます。
マウスピース療法
専用のマウスピースで下顎を前方に出して、気道を確保する治療方法です。軽度から中等度の方や、CPAPが合わない方に適しています。
手術療法
解剖学的な問題が明らかな場合や、他の治療方法で改善しない場合に検討されます。
